2011年03月08日

建築ガイド インドネシアのインフィニティープール

私にとって、インドネシアのバリ島は日常を離れ、こころが解き放たれる素敵な場所です。

開放的なバリ島では、何もかも脱ぎ捨てて?とゆきたいところですが、一応、海水パンツを履いて、ホテルのプールへ飛び込みます。仰向けになって空や夜空を眺めていると、この上ない贅沢な時間が流れてゆくのです。


どのホテルのプールも大磯ロングビーチのように、決して大きくは無いプールのですが、プールの端部を上手にデザイン処理することでドラマチックな空間に昇華させているのです。




あるプールでは、背景の海と手前のプールが一体に見えることで、あたかも海で泳いでいるかのような錯覚になり、


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海に溶け込むプールはバリ島北部のSpa Village Resort Tembokスパリゾート テンボック





また、あるプールでは背後の渓谷にこぼれ落ちて行くかのような錯覚になり、


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渓谷に溶け込むプールはバリ島ウブド地区のPuri Wulandariプリウランダリ





また、ある温泉では背後の入り江と一体になり、海が温泉であるかのような錯覚になるのです。


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温泉の丸いプールはバリ島北西部のMimpi Resort Menjanganミンピリゾート ムンジャンガン





これらのプールをデザイン的に「インフィニティープール」といいます。

「あの端はどうなっているのか」確かめてみてください。

くれぐれも落ちないように、、、


本記/写真 湯山シゲユキ

投稿/広報委員会 高橋隆博

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2011年02月09日

建築ガイド  韓国(ソウル)の現代建築

最近、元気のない日本の建築。同じ経済不況ながらお隣の国、韓国はとっても元気な建築 がどんどん建築されています。そんな元気な韓国の現代建築を、御紹介します。『パジュ出版都市』 披州出版文化情報産業団地(パジュ出版都市)です。ソウル郊外、京畿道(キョンキド) 披州(バジュ)市に位置する、出版関係の企業が集まっている国家文化産業都市です。1998 年の工事開始以来、48 万坪の敷地に現在 200 社以上の企業が進出し、今なお社屋の建築が あちこちで行われています。

その1
「人間性を回復するための都市」というテー マのもと、世界中の建築家がそれぞれの社 屋を設計しています。写真の建物は、スン・ ヒョサン設計の「サモミュージック社屋」です


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その2
自然との共生を重視し、建築計画や街づく りをしていることも特徴です。 緑を多く取り入れた建築を多く見かけます。

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その3
開発初期の建物でしょうか。すでに自然と一 体化してきている建築も見かけました。

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その4風水の影響でしょうか。 建物の一部を大きく切り取った建築を 数多く見かけました。

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その5
世界中の建築家が腕を振るった建築物が、道路に面して整然と連なっています。

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その6
大きな建物ばかりではなく、小さな建物もデ ザインを考え建てられています。

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その7
出版社 110 社、印刷会社 21 社、出版流通会 社 2 社、紙類・製本会社など 600 社の出版関 連業者が入る予定のバジュ出版都市は、現在 でも、工事中の場所が多く、あちこちで建築 が行われています。最近では、ドライブにき ているカップルや建築関係のグループも数多 く訪れるようです。自然に自然に囲まれ、建築めぐりをしながらのんびりと過ごすには絶好の場所です。

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写真、文;広報委員・杉本由美子

 
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2011年01月06日

建築ガイド  ル・コルビュジェの美術館建築


建築好きな人であればコルビュジェの名前は聞いたことがあろうかと思います。そのコルビュジェはたくさんの建築を残していますが、その中で美術館はいくつあると思いますか?

意外と思われるかもしれませんが、3つしかありません。
それも活動の中心であったフランスには無く、インドに二つと日本に一つです。
その3つは共通の概念を元に作られているので、3件あわせてご紹介します。

まず一つ目は「サンスカル・ケンドラ美術館」(インド/アーメダバード/1957年)
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プランは正方形。なので外観は四角い建築で、1階を持ち上げたピロティという形式をとっています。これらは3件共に共通する特徴です。
そして入り口はピロティの奥に光が差し込んで明るくなっているところが見えますが、プラン中央の中庭から入ります。

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これはコルビュジェが、美術館のような用途は展示が増えていくことを想定しており、中心から渦巻き状に広がっていけば無限に拡張可能であろうという考えに基づいています。
2010に訪れたときには中庭の水は張られていませんでしたが、当初はこのくぼみには水が張られていました。
垂直に伸びる柱と、自由な曲線の池、2階の入り口に向かうスロープの斜めがお互いを引き立てあっているのがよく分かります。

次に二つ目はその名もズバリ、「ザ・ミュージアム(美術館)」(インド/チャンディガール/1968年)
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こちらも四角い正方形の建物。ピロティも見て取れます。
そして手前に丸い池が作られています。この池にも水は張られていませんでしたが、ここの水が張られると建物が映り込み、見る人へのビューポイントを提供することになります。
そして池のもう一つの役割は暑い気候にヒントがあります。ここに水が張られると空気が冷やされて付近に涼しい風をもたらすのです。
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さて内部ですが、やはり建物の中心から入ります。しかしこの美術館は中庭ではありません。中心は吹き抜けの空間で、トップライトから差し込む光に、垂直に伸びる壁柱、二階に上がるスロープが見て取れます。
「サンスカル・ケンドラ美術館」では円い柱でしたが、こちらでは板のような壁柱という違いはありますが、この壁柱に光をあてるようにトップライトを設けているので、その垂直性は強調されています。

そして最後は「国立西洋美術館」(日本/東京/1959年)です。

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四角い建築にピロティは定番通りです。使う材料はインドと日本ではおのずと違ってきます。インドでは赤煉瓦を積み、日本では緑色の小石をはりつけてあります。
プランは純粋な正方形でしたが、後に後ろにコルビュジェの弟子の前川国男により増築されています。

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吹き抜け空間に丸い垂直柱とそれを照らすトップライト、スロープの斜めのラインが見られるようにコルビュジェの建築に欠かすことのできない要素ということが分かります。

最後に、写真を見ても分かりますが、日本の国立西洋美術館は1959年に建てられていますが、とてもきれいに保たれています。
サンスカル・ケンドラ美術館が1957年ですから、ほぼ同じ頃に建てられたことになります。ところが現在のサンスカル・ケンドラ美術館はメンテナンスがおろそかにされていて、蜂の巣や鳩の糞が至る所にあり、内部の展示も色あせたものが飾られている状態でした。
国立西洋美術館は免震装置を取り付けたりしながら建物を活かそうとしており、いかに国立西洋美術館が大切に扱われてきているのかがよく分かります。
現在コルビュジェの建築群のうちのいくつかは世界遺産の暫定リストに登録されていますが、そんなわけで国立西洋美術館はそのうちの一つとして扱われています。
写真・文:高安重一
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2010年04月13日

建築ガイド〜建築と静寂(墓地の建築)

 人はこの世に生まれ必ず死を迎えます。死後、自分が入る墓地というものを考えたことはありますか。墓地といっても、いろいろな雰囲気のものがあり、建築家たちはその回答を様々な形で実現しています。ここに挙げる3つの作品はそれぞれ異なりますが、どれも非常に興味深いものとなっていますので紹介いたします。

●ブリオン家の墓地/カルロ・スカルパ(イタリア)
あたりは何もない広大な田園風景の中に、一般の共同墓地に隣接して、この個人のための墓地はあります。鳥のさえずりが聞こえるのどかな風景です。重いコンクリートの門をスライドさせて内部に入ると、塀の内部に暗さは微塵もなく、手入れの施された芝生がひかれ、まるで庭を散 歩しているかのように、夫妻の棺とその屋根が配置されています。囲われた空間のスケールは邸宅の庭のようでもり、それは墓地の概念を現世に近づけたもののような温もりを感じます。
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ブリオン家の墓地/BRION FAMILY CEMETERY
1972年/カルロ・スカルパ(Carlo Scarpa)
San Vito d’Altivole, Toreviso, Italy
墓地(内部見学 自由)

●サン・カタルド墓地/アルド・ロッシ(イタリア)
一方、このサンカタルド墓地は、どこか物悲しげで詩的な風情を醸し出しています。整然とした配置、どこまでも続く壁柱が冷たいコンクリート床に幾何学的な影を落としています。張り詰めた緊張感は、自然の音さえも奪い去ってしまい、そこはまるで時間が止まっているかのようです。それは単に、建築物を造形するという行為を越えて、この広い敷地が死後の世界を表現しているかのようでもあります。
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サン・カタルド墓地/SAN  CATALDO  CEMETERY
1976年/アルド・ロッシ(Aldo Rossi)
Via San. Catald, Modena, Italy
墓地(内部見学 自由)
●森の墓地/グンナール・アスプルンド&シークルド・レヴェレンツ
                       (スウェーデン)
森の墓地の門を入ると、右側に美しい滑らかな曲線の芝生の丘、左側には塀に囲まれた墓地と建物、真直ぐにのびる通路の先に大きな十字架が、これ以上にない絶妙な位置に設置されています。広大な森の中は快適で、高く聳える樹木からの木漏れ日で神秘的な空気に満ち溢れています。また非常に静かで爽やかな空間でもあり、ここでは安らかな永遠の眠りが保障されており、また、ここを訪れる人の心を落ち着かせる力がこの地には存在しているのだと感じます。
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森の火葬場[森の墓地]/WOODLAND CREMATORIUM(SKOGSKYRKONGÅRDEN)
1940年/グンナール・アスプルンド&シークルド・レヴェレンツ
(Erik Gunnar Asplund&Sigurd Lewerentz)
Skogskyrkogården, Sockenvägen492, Enskede, Sweden
墓地(内部見学 自由)

..................................................................本記/写真 桜本將樹
                        投稿/広報委員 高橋隆博


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2010年03月30日

建築ガイド 海外の街並 〜デザインコード その2(色について)

「デザインコード」その2;街にはどんな「色」が使われているか 見てみま
しょう

前回は「高さ」についてお話ししましたが、今回は「色」についてです
私は町を見て歩くときに、どんな色が使われているかみながら歩き 回ります
有名な観光地は以外と色数が少ないのです


スペイン「グラナダ」
 アルハンブラ宮殿で有名なこのグラナダの町は屋根の瓦が一色です
この地方の土で焼いた瓦を使ったため同じ色になったのでしょう
宮殿に負けない美しい街並、屋並みです
こんなところにも目を向けて街を見て頂きたいと思います

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エーゲ海に浮かぶ「ミコノス」
 言わずと知れたミコノスですが他とは少し違った理由で色が白くなったようです
ヨーロッパではその昔ペストが大流行し多くの人が亡くなりました
そのため、ミコノスでは消毒のために石灰を道路から外壁、屋根まで塗り込めたそうです
その伝統が残っていて、今でも町で白いペンキを配って塗ってもらっているということです
これは観光のためですね


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イタリア「フィレンツェ」
 花の都とうたわれたこの街は世界遺産に登録されました
イタリアではアンティークフィレンツェ瓦として今も製造しているほどこの赤い屋並みは人々に愛されています
フィレンツェにおいでの際は、ぜひキューポラの上に上がって街を見渡してみてください

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最近日本でも建築物が時々あまりに周囲と違う色、模様などで世間を騒がすことがありますね
色は社会的に暗黙の同意があるものです
日本が人と同じものを好む傾向があるのとは関係ありません
私の推測ですが昔は建築はその土地の材料でつくられました
日本では、樹木、土、瓦、紙などですね
ヨーロッパでは大陸の石を多用しました
それらは各々の土地で特徴のある材料で色もそれぞれ産地によって違っていたことでしょう
するとその土地で作られた建物は自然と同じ色になったのは不思議ではありませんね

現代でも色のそろった街並できれいな観光地に人々が好意を持つのはそんな原風景が脈々と受け継がれているからではないかと考えています
景観に関する条例等で「色」が規定されるのはそのためでしょうか
本来見えない約束を条例等で規定しなければならないのはみなさんはどうお考えになりますか?

記事/写真 広報委員 近藤弘文
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2009年12月22日

建築ガイド 海外の街並 〜デザインコード(高さについて)

「デザインコード」という言葉をご存知ですか?

デザインコードというのは建築を作る際にある一定の決まり事に従って外観の調和した街並を作ることを目的に決められた約束というところでしょうか。デザインコードの一つに高さがあります。世界の美しい街並に限らず日本の歴史的観光地も高さのそろった街並が多いのです。よく見て頂ければ完全に同じ高さではなく、少しずつ高さが違うことがご覧になれると思います。ここが大切で、街並に味を出しているところだと思います。旅行に行ったときにこんな見方を思い出しながら街並をご覧になってみてください。
 イスタンブール.png

スペインの古い街セビリア

ロッシーニのオペラ「セビリアの理髪師」で有名な街ですね。ここは白壁がきれいな街ですが、やはり高さがそろっています。そして路地の遠くに教会の塔が垣間見えます。そろった街並と高い塔という対比が街の構造となっています。
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水の都ベネチア
言わずと知れた世界の観光地ベネチアの街の美しさに異論のある方はいないでしょう。イタリアの古い街に共通な石の外壁と瓦屋根が乗った建物は街全体で見ると高さがそろっています。そしてお約束の高い塔がサンマルコ広場にあり路地を巡る観光客のランドマークになっています。
ベネチア.png

 本記/写真
 広報委員 近藤弘文 
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2009年12月20日

建築ガイド 〜建築と光(海外編)

建築を考えるとき、重要となるのが、光の扱い方です。外部から遮断した内部空間にいかに光を取り込むか......この探究は古くから現在に至るまで、建築家たちの永遠のテーマとも言え、「自然光」や「照明」の表現は内部空間を豊かなものにする重要な要素と言えます。建物の形、素材によって微妙に表情を変える光、逆に言うと、建物の形や素材は、光によって表現されるといっても良いかもしれません。そんな「建築と光」の関係を、表現の異なる3つの建物でお楽しみ下さい。

●キンベル美術館/ルイス・カーン(アメリカ)
 アメリカの建築家、ルイス・カーンは特に、「光の魔術師」とも呼ばれ、光の扱い方がすばらしい作品を多く残しています。なかでもアメリカのフォートワースにある「キンベル美術館」は格別の心地よい空間をつくり上げています。特に公園側のホールには、直接入ってくる直射光、壁面に反射する拡散光、外部に植えられた植栽を透過してくる緑色の光が戯れる豊かな内部空間を実現しています。

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キンベル美術館/KIMBELL ART MUSEUM  
1972年/ルイス・カーン(Louis I. Kahn)   
3333 Camp Bowie Boulevard, Fort Worth, Texas USA
美術館(内部見学 自由)


●ミュールマキの教会・教区センター/ユハ・レイヴィスカ(フィンランド)
 さらに光の探究の例としては、北欧の建築物に優れた作品が多く、その中でも特にお勧めなのが、建築家ユハ・レイヴィスカの「ミュールマキ教会・教区センター」です。明るくさわやかなチャペルに入ると、外部からさし込む何本もの光の線が見え、光のヴェールに包まれた内部空間となっています。建築が光を取り入れているという感覚よりも、光の動きを建築によって捉えたという表現が相応しく、ここでは建築は光を見せるための装置なのです。北欧の夏は短く、太陽の光を建物にうまく取り入れることが重要で、この作品はそうして追求されたひとつの到達点と言っても過言ではなく、知られざる傑作のひとつと言えます。

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ミュールマキの教会・教区センター/MYYRMÄEN KIRKKO JA SEURAKUNTAKESKUS
1984年/ユハ・レイヴィスカ(Juha Leiviskä)
Uomatie, Hämeenkylä, Vantaa, Finland
教会(内部見学 自由)


●MITチャペル/エーロ・サーリネン(アメリカ)
 また、同じアメリカの建築家エーロ・サーリネンの作品である「MITチャペル」は、直径17mほどの小さな建物にも関わらず、絶妙な光を取り入れた空間となっています。祭壇の上部から降り注ぐ自然光が、神秘的な光景をつくり出し、壁際にあるスリットからは外周部に設けられた水面を反射した光が壁面を照らします。夜になると内部の光が、その水面に漏れて、外部足元にやわらかい光をもらしてくれます。

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MITチャペル/MIT CHAPEL(MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY CHAPEL)
1955年/エーロ・サーリネン(Eero Saarinen) 
48 Massachusetts Ave, Cambridge, Massachusetts USA
教会(内部見学 自由)

            .......................................本記/写真 桜本將樹
                          
投稿 広報委員 高橋 

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